2013年にオマリズマブの気管支喘息適応の年齢制限が6歳以上に引き下げられ,小児アレルギー領域にも分子標的薬時代が到来した.現在,気管支喘息に対してオマリズマブ,メポリズマブ,デュピルマブの3剤が,慢性蕁麻疹および季節性アレルギー性鼻炎ではオマリズマブが,小児科領域で使用可能となっている.いずれも高価な薬剤であり,適切な症例に適切に使用する事が求められる.そのためには免疫学の基礎知識に基づいたそれぞれの製剤の作用機序および特徴を理解しておくことが重要である.また,適切な薬剤選択をするためには,このような医学的側面だけでなく,注射時疼痛や投与間隔など医療的側面も医療者が患者に対して配慮することが必須である.その他,薬剤中止基準,長期予後,医療経済など解決すべき課題は多く,更なる臨床研究が急務である.