2020 年 34 巻 2 号 p. 223-230
症例は4歳女児.乳児期から反復性喘鳴があり,4か月前に気管支喘息と診断された.ロイコトリエン受容体拮抗薬,吸入ステロイド薬の開始後も喘鳴は持続し全身性ステロイド薬が長期投与された.投与期間は96日間中50日,総投与量はプレドニン換算1000mgに達し,副腎機能評価とステロイド減量目的で入院した.入院後,喘鳴の悪化に注意しつつ経口ステロイドをコルチゾール基礎分泌量まで漸減したが喘鳴は不変であった.食道pHモニタリングで胃食道逆流を認め,その治療により喘鳴は軽快した.副腎機能は入院3週後のCRH(corticotropin-releasing hormone)負荷試験でも回復を認めず,コルチゾール基礎分泌量のステロイド内服を継続し退院した.その後も定期的に副腎機能を評価し経口ステロイド薬の中止まで5か月間を要した.小児気管支喘息に対するステロイド薬の全身投与は短期にとどめるべきであり,投与にあたっては発作要因を再検討する必要がある.やむを得ず長期にわたる場合は副腎機能の評価が必要である.