2021 年 35 巻 1 号 p. 88-93
アレルゲン免疫療法は,アレルギー疾患の自然歴を改善する可能性のある唯一の治療法とされており,現在,アレルゲンの投与経路として皮下,経口,舌下,経皮などが考案されている.特に食物アレルギーでは,経口免疫療法が広く実施されている.しかしながら,耐性獲得の不確実性やアナフィラキシーなどの有害事象誘発のリスクが高く,一般診療としてはまだ認められていない.一方,経皮免疫療法は,効果や副作用,アレルゲンの投与量や貼付方法など不明な点が多く解決すべき課題は多いが,近年,比較的安全な方法として受け入れられつつある.本稿では,経皮免疫療法について,最新の情報や自験例をもとに概説する.