日本小児アレルギー学会誌
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原著
わが国における小児アレルギー疾患に対する保健指導の現状に関する検討
加藤 泰輔伊藤 靖典清水 宗之板澤 寿子足立 陽子足立 雄一
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ジャーナル 認証あり

2021 年 35 巻 1 号 p. 94-100

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抄録

【背景】小児アレルギー疾患の有病率は増加傾向で,乳児期早期からのアレルギー疾患に対する保健指導は重要であるが実態が把握されていない.【目的・方法】全国の自治体におけるアレルギー疾患に関する保健指導の実態を検討するため,2019年1月に無作為に抽出した全国420の自治体にアンケートを送付した.【結果】290施設(69.0%)から回答を得た.80.7%(234/290施設)でアレルギー疾患の保健指導を行なっていたが,そのうち指導マニュアル等が無い状態で指導を行なっているのは70.1%(164/234施設)であった.87.2%(253/290施設)がアレルギー疾患の知識を本や雑誌から得ており,医師に相談できる施設は24.8%(72/290施設)であった.妊婦への出生後の子供に対するアレルギー指導を行なっているのは43.2%(101/234施設)だった.【結論】小児アレルギー疾患の保健指導は,その方法や内容は各自治体職員の裁量に委ねられており,不安を抱えながら行なっている現状が明らかとなった.

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© 2021 日本小児アレルギー学会
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