日本小児アレルギー学会誌
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原著
遷延する鶏卵アレルギーに関する後ろ向きコホート研究
酒井 一徳杉浦 至郎尾辻 健太
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ジャーナル 認証あり

2021 年 35 巻 2 号 p. 135-144

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抄録

【目的】鶏卵アレルギー(EA)の自然歴及びEA遷延のリスク因子を同定する.

【方法】沖縄協同病院小児科でEAと診断された児を対象に後向きコホートを作成した.鶏卵耐性獲得率の経年的変化を示し,6歳時点における鶏卵除去継続に関連する1歳台の背景因子に関して検討を行った.

【結果】対象210例の鶏卵耐性獲得率は2歳12%,3歳34%,4歳54%,5歳68%,6歳で79%(134/170)であり,6歳時点で解除群134例,遷延群36例,脱落群40例であった.多重ロジスティック回帰分析では,鶏卵完全除去(オッズ比:13.8,P<0.01),卵白sIgE値(class)高値(オッズ比:3.84,P<0.01)が6歳時のEA遷延と有意に関連していたが,性別及びアナフィラキシーの既往とは有意な関連を認めなかった.

【結語】約8割の鶏卵アレルギーは6歳までに寛解するが,1歳台の鶏卵完全除去と卵白sIgE高値は6歳以降もEAが遷延するリスク因子である.

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© 2021 日本小児アレルギー学会
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