2021 年 35 巻 5 号 p. 419-425
【目的】学校生活管理指導表(アレルギー疾患用,以下管理指導表)の評価とそれに基づいた講習会がその後の管理指導表記載内容にどのような変化を与えたか検討する.
【方法】医師会の小委員会で管理指導表の記載内容について評価を行ったのちに講習会を開催した,姶良市と鹿屋市の小中学校に提出された管理指導表を対象に,評価および講習会の前年度と翌年度の管理指導表の提出数・診断根拠内の食物経口負荷試験陽性が含まれる数・アナフィラキシー診断数の変化について検討を行った.
【結果】いずれの都市でも管理指導表の提出数が減少し,診断根拠内に食物経口負荷試験陽性が含まれる数が増加した.また,アナフィラキシーありの管理指導表もいずれの都市でも減少し,食物経口負荷試験陽性がすべての診断根拠に含まれるようになった.
【結語】管理指導表の評価およびその内容のフィードバックを行うことが,管理指導表の記載内容の適正化へつながり,学校現場の負担軽減につながる可能性がある.