日本小児アレルギー学会誌
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ガイドライン解説:小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2020
第12章 日常管理(社会生活,運動への対応,予防接種,手術時・災害時の配慮)
夏目 統福家 辰樹
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2022 年 36 巻 2 号 p. 163-169

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抄録

「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン(JPGL)2020」第12章では気管支喘息の日常管理として,学校,保育所での社会生活,運動への対応,予防接種,手術,災害対策などについて概説されている.学校や保育所での活動に配慮が必要な場合は生活管理指導表を活用し,保護者,学校関係者,医療者が連携することが望まれる.喘息患者が,運動により一時的に喘鳴や呼吸困難を伴う一過性の気管支収縮が起こる現象を運動誘発喘息(EIA)と呼ぶ.EIAを起こさずに生活できるよう,その治療・予防を行い,保護者のみならず関係者も正しい認識を持つように連携が必要である.予防接種は喘息の児も健常児と同様に多くの場合接種可能である.全身麻酔や手術に際しては,できるだけ良好なコントロール状態を維持し,必要に応じて治療のステップアップや術前のSABA吸入等の要否を検討する.災害に備え,常備薬や非常時に活用できるパンフレット等の準備をしておくよう指導する.

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© 2022 日本小児アレルギー学会
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