日本小児アレルギー学会誌
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シンポジウム3:アレルギー予防についての話題
プライマリ・ケアで食物アレルギーを予防しよう
西村 龍夫福岡 圭介
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2023 年 37 巻 1 号 p. 23-32

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抄録

近年の調査から,乳児期にアレルギーの原因となる食物を除去するより食べさせていく方が食物アレルギー(以下,FA)の発症に抑制的に働くことが分かってきた.FAへの対応は治療よりも予防にシフトしていくと思われる.しかしハイリスク乳児への食事指導に際しては安全を担保しながら実施する必要があり,その方法を早期に確立することが求められている.

我々は鶏卵,ミルク,小麦,大豆,ピーナッツ,そばの6種食物の粉末と整腸剤を混合したMixed powder(以下,MP)を作り,アトピー性皮膚炎の乳児を対象にプラセボと比較した多施設共同ランダム化試験を行った.その結果MPを投与した群はプラセボ群と比較してFAのエピソードを有意に減少させることができた.副反応に関しては投与後の顔面の発赤等,軽微なものを経験したが重篤なものはなかった.

乳児期早期から皮膚所見を観察し,湿疹のある例にはスキンケアの指導と並行し,早期から慎重に食物を与えることでFAの発症を予防できる可能性があると考えている.

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© 2023 日本小児アレルギー学会
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