日本小児アレルギー学会誌
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総説
運動誘発性喉頭閉塞症
手塚 純一郎
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2023 年 37 巻 2 号 p. 150-155

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抄録

運動誘発性喉頭閉塞症(exercise-induced laryngeal obstruction:EILO)は高強度運動時発作性に喘鳴と呼吸困難をきたす疾患である.楔状結節の余剰粘膜が内転する,かつ/または吸気時に開くべき声帯が内転することにより喉頭の閉塞が生じる事がその原因であり,誘発性喉頭閉塞症(inducible laryngeal obstruction:ILO)の病型の1つである.運動による誘発される声帯機能不全(vocal cord dysfunction:VCD),声帯奇異性運動(paradoxical vocal cord motion:PVFM),喉頭軟化症など様々な用語で表現されてきたが近年用語が統一された.診断は運動中の持続的喉頭内視鏡(continuous laryngoscopy during exercise:CLE)により確定するが施行可能な施設が限られている.

運動誘発喘息として治療を受けていることがしばしばあり,疾患の認知が拡がることが望まれる.

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© 2023 日本小児アレルギー学会
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