2023 年 37 巻 5 号 p. 491-496
ベンラリズマブは抗IL-5Rα抗体であり,IL-5受容体を介した作用とADCC活性による好酸球のアポトーシスの誘導という異なる2つの作用により強力な好酸球抑制効果を持つ.各種臨床試験にて好酸球増多が認められた症例において,喘息増悪抑制効果,呼吸機能改善効果,全身ステロイド減量効果が認められている.副作用は他の生物学的製剤と相違は認められない.自己注射製剤はないが,維持期において投与間隔が8週間と長いことが特徴である.本邦においてベンラリズマブは小児適用がなく,成人に適用がある薬剤である.成人の難治性喘息で,II型炎症を認める患者のうち好酸球増多が認められる患者には投与が検討される薬剤である.