2021 年 77 巻 6 号 p. II_227-II_234
1995年から2015年の5時点間の性別5歳階級別の運転免許保有者数と平日運転者数の推移を対象にベイズ型APC分析を行い,免許保有者数および運転者数の変化の要因を,年齢,時代,コーホート効果に分けて評価するとともに,2020年から2050年までの将来推計と高齢者の免許返納と運転取りやめの考察を行なった.その結果,男性の新しい世代の免許離れと運転離れが進み,高齢女性の免許保有と運転の増加が進む傾向が分かった.2015年に比較して2050年の女性の免許保有者数と運転者数は横ばいだが,男性の運転者数は半減することが明らかになった.また,後期高齢者の免許返納率は男女ともに著しく低下し,後期高齢者の女性の運転取りやめのペースは鈍化して男性並みとなることが分かった.