乳幼児期は,気管支喘息の児に対し早期介入を行う上で重要な時期である.反復性喘鳴を生じる児では,この時期に気道のリモデリングや呼吸機能低下を生じ得るため,早期に治療を開始する必要がある.しかし,喘息の症状である喘鳴はこの年齢層ではありふれた症状であるため,急性喘鳴であれば喘鳴が生じた後の経過観察を続け,反復性喘鳴であれば他疾患の鑑別を行ったうえで,治療を開始する.診断にあたっては乳幼児喘息の診断フローに従い診断を進めるが,この時期の喘息の診断は困難であることも多く,重症度に応じた長期管理薬を使用することで診断的治療を行い,治療への反応性を評価し乳幼児喘息と診断することもできる.診断後は,IgE関連もしくは非IgE関連喘息を鑑別する.また,喘鳴を呈する他疾患との鑑別が重要であり,特に治療への反応が乏しい場合は喘息以外の疾患も考慮し診療する.