日本小児アレルギー学会誌
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原著
単一施設におけるfood protein-induced enterocolitis syndrome(FPIES)35名の臨床的特徴
三山 智史林 優佳桃井 貴裕西本 創
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2025 年 39 巻 1 号 p. 24-31

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抄録

【背景】食物蛋白誘発胃腸炎(food protein-induced enterocolitis syndrome,FPIES)は近年世界的に増加傾向にある.今回当院で経験した症例の臨床的特徴を明らかにする.

【方法】13年間でFPIESが疑われ当院を受診した患者のうち,国際ガイドラインの診断基準を満たす症例の臨床的特徴を後方視的に検討した.

【結果】対象は35名.全例で嘔吐を認め,その他に活気不良,顔色不良が多く認められた.複数抗原に反応した症例は1名おり,原因抗原は計36例であった.鶏卵が21例と最多であり,全例が卵黄に反応し,卵白のみに反応した症例はいなかった.2017年以降,症例は増加傾向にあり,特に鶏卵の増加が顕著であった.卵黄18例中12例(67%)が耐性獲得し,50%が月齢中央値27か月に耐性獲得した.

【結語】国内のFPIESは鶏卵,特に卵黄を中心に増加傾向である.卵黄FPIESの半分は月齢24か月で耐性獲得する可能性があり,定期的な食物経口負荷試験で評価する必要がある.

当院単施設でFPIES症例計35名を対象に後方視的検討を行った。その結果,原因抗原は鶏卵が最多で,全例卵黄に反応を認め,2017年を境に増加傾向であった。卵黄FPIESは月齢24か月前後で耐性獲得する可能性があり,定期的な食物経口負荷試験で評価する必要がある。 Fullsize Image
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