経口免疫療法と食事指導に共通するのは主治医が明確に食べる量,具体的な方法を指示し,その結果に対して責任を持つべきことである.その中でリスクが高いものを経口免疫療法と考えるのが妥当である.安全性を確保するには症状発現閾値に十分な安全域を確保した負荷量を設定し,自宅で継続するための指導や安全対策を行わなくてはならない.完全除去が長く遷延した場合には原因食物の摂取が不自然なことになり,医学的に食べられるようになっても社会的・心理的な要因で継続できず耐性獲得に至らない.「自然経過では早期に耐性獲得が期待できない症例」となる前に,出来るだけ早く完全除去を回避し,自然に安全に年齢相当の摂取を開始することができる方法(自然経過)を,主治医は時間と闘い,時間を味方に食事指導と呼べるうちに考えていく必要がある.