日本小児アレルギー学会誌
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総説
新規アレルギー治療薬候補になりうる共刺激分子:CD226/TIGIT
安冨 素子
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2025 年 39 巻 3 号 p. 228-233

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抄録

T細胞表面上の共刺激分子は,抗原提示細胞などに発現している各々のリガンドと結合することで,T細胞の活性化を増強あるいは抑制している.共通のリガンドCD155に結合するCD226とTIGITは,各々CD4 T細胞に活性化あるいは抑制性刺激を入れることにより,免疫応答を制御している.CD226とTIGITの発現は,CD4 T細胞の活性化のみならず,制御性T細胞の機能強化,濾胞性ヘルパーT細胞の分化,自然リンパ球の活性化とその後の排除など,免疫機能において重要な役割を担っており,アレルギーや自己免疫疾患など様々な病態に関与する.本総説では,CD226とTIGITの各細胞における作用とアレルギー疾患における役割を概説する.

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© 2025 日本小児アレルギー学会
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