牛乳アレルギーの主要な原因アレルゲンはカゼインであり,ホエイたんぱく質のみに感作があるケースは限られる.ホエイたんぱく質は加熱などの加工で抗原性が低下しやすく牛乳と乳含有加工品では抗原性に差異がある.症例は14歳男児.生後6か月時にパン粥でアナフィラキシーを呈し牛乳アレルギーと診断された.他院で牛乳を用いた経口免疫療法を受け,2年前には牛乳100 mLの摂取が可能だったが,1年前より自己中断していた.パンやチーズは日常的に摂取していた.来院当日,下校途中に友人のすすめでホエイたんぱく質が主原料である乳飲料を初めて一口摂取した直後に咳嗽,息苦しさが出現しアナフィラキシーを呈した.来院後の検査で乳たんぱく質の一種であるホエイたんぱく質によるアレルギーの診断となった.本症例では乳含有加工品は摂取可能で,ホエイたんぱく質の抗原性を認識していなかったことが症状誘発の原因の一つであった.牛乳アレルギーで原因アレルゲンを明らかにすることは診断と治療において重要である.