日本小児アレルギー学会誌
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原著
卵黄による食物蛋白誘発胃腸炎の寛解時期に関する検討
酒井 秀行大友 江未里渡邊 庸平
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2025 年 39 巻 5 号 p. 384-389

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抄録

【背景・目的】卵黄による食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)は国内で患者が増加している.その一方で予後や長期管理に関しては確立されておらず,寛解時期の把握が重要となる.

【方法】2014年6月から2023年12月までに当院で食物経口負荷試験(OFC)を行った卵黄FPIES患者50人の寛解時期に関して診療録を参考に後方視的に検討した.

【結果】発症月齢の中央値は8か月で,初回OFCを行った月齢の中央値は15か月で,2回目,3回目はそれぞれ23か月,39か月であった.初回,2回目,3回目のOFC後に寛解に至った症例はそれぞれ50人中20人,22人中4人,9人中2人で,年齢が上がるにつれて寛解が遅れる傾向があった.月齢24か月,36か月までの累積寛解率はそれぞれ35.6%,51.0%であった.

【結語】月齢24か月までの累積寛解率は35.6%と少なく,完全除去による早期耐性獲得は難しいことが示唆された.初回OFC陽性例は2回目以降も陽性になることが多く,早期寛解を獲得するための方法が模索されている.

当院で食物経口負荷試験を施行した卵黄FPIES患者50人の寛解時期に関して後方視的に検討した。寛解に至った症例は28人で月齢24か月、36か月、66か月までの累積寛解率はそれぞれ35.6%、51.0%、79.1%であった。年齢が上がるにつれて寛解はしづらくなるものの段階的に寛解率が上昇していくことが示唆された。 Fullsize Image
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