【背景・目的】卵黄による食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)は国内で患者が増加している.その一方で予後や長期管理に関しては確立されておらず,寛解時期の把握が重要となる.
【方法】2014年6月から2023年12月までに当院で食物経口負荷試験(OFC)を行った卵黄FPIES患者50人の寛解時期に関して診療録を参考に後方視的に検討した.
【結果】発症月齢の中央値は8か月で,初回OFCを行った月齢の中央値は15か月で,2回目,3回目はそれぞれ23か月,39か月であった.初回,2回目,3回目のOFC後に寛解に至った症例はそれぞれ50人中20人,22人中4人,9人中2人で,年齢が上がるにつれて寛解が遅れる傾向があった.月齢24か月,36か月までの累積寛解率はそれぞれ35.6%,51.0%であった.
【結語】月齢24か月までの累積寛解率は35.6%と少なく,完全除去による早期耐性獲得は難しいことが示唆された.初回OFC陽性例は2回目以降も陽性になることが多く,早期寛解を獲得するための方法が模索されている.