2025 年 39 巻 5 号 p. 395-400
アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis:AD)は,患児とその家族のquality of lifeに大きな影響を与えることがわかっており,皮膚の痒みは,学業,労働,日常生活の生産性に重大な障害をもたらす.学校生活を送る児にとっては,学業成績といったアウトカムが重要な結果指標となる.しかし,ADを抱える児において,疾患の管理や治療が学業成績にどのような影響を与えるかについては,依然として不明な点が多い.本症例報告では,中高生3名において,入院による寛解導入治療が及ぼした学業成績を含む多面的な効果を検討した.3名に共通する改善要因として,皮疹と瘙痒の緩和,生活リズムの確立,疾患教育による自己管理能力の向上が挙げられる.本報告は,AD管理が学業成績や心理社会的アウトカムに寄与する可能性を示し,入院治療の有用性を浮き彫りにした.