2025 年 39 巻 5 号 p. 429-435
わが国のアレルギー疾患対策における医療提供体制の整備は,平成26年に成立されたアレルギー疾患対策基本法,平成29年に告示されたアレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針に基づいて,同年発出されたアレルギー疾患医療提供体制のあり方に関する検討会報告書を基盤として進められている.厚生労働省では,中心拠点病院及び都道府県アレルギー疾患医療拠点病院との連携や,アレルギー疾患医療の均てん化,診療の質の向上等を目指して様々な政策事業を展開しており,この10年の間に大きく前進してきている.一方で,近年の調査研究によって,食物アレルギーをはじめとするアレルギー疾患の疾病構造の変化や地域のアレルギー疾患医療提供の偏在など,解決すべき課題は多く残されていることが明らかとなっている.引き続き,関係省庁や自治体,関係団体,患者などが役割を共有して連携する体制を築き,アレルギー疾患を有する者が地域や世代にかかわらず,等しく適切なアレルギー疾患医療を受けることが出来る社会作りを推進していく必要がある.