日本小児アレルギー学会誌
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小児気管支喘息におけるステロイド大量吸入療法による各種パラメーターの変動
東川 昌紀加野 草平小田嶋 博西間 三馨
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1996 年 10 巻 2 号 p. 96-103

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抄録
ステロイド薬の大量吸入による影響を調べる目的で, 施設入院中の気管支喘息児10名に, Beclomethasone dipropionate (BDP) 900μg/日の吸入を2週間行ない, 血清オステオカルシン (OC) を含めた各種パラメーターの変動を検討し以下の結果を得た.
1. OC, アルカリフォスファターゼ, コルチゾール日内リズム, 末梢血好酸球, 喀痰・鼻汁好酸球, 血清IgEに吸入前後で変化はなかった. 局所副作用は, 口腔内カンジダ培養の陽性化を10例中3例に認めた.
2. 短期大量BDP療法によりアセチルコリンに対する気道過敏性とMMF, V50, V25の有意な改善を認めた.
以上より気管支喘息児に対する2週間の短期大量BDP療法は有効で, 重篤な副作用は認めなかった.
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