抄録
気管支喘息病態を示すとされる呼気中NO濃度の測定の小児領域への適応を目的に, 測定装置の改良を試み有用性を検討した. NO濃度測定機に呼気が入る前に可変気流量一定化装置に呼気を通すことで, 小児でも良好な再現性のある値を測定することができた. 測定されたNO濃度は数秒のプラトーを形成して, 従来の Slow vital capacity maneuver の山型と異なっていた. 呼気流量の上昇に伴い呼気中NO濃度は減少していったが, 呼気流最と呼気中NO濃度の積は測定呼気流量にかかわらず被験者毎に一定であった.
仮定した測定原理では, 本測定法で得られる呼気中NO濃度のプラトー値は気管支におけるNO産生を示す良好な指標と考えられた.