日本小児アレルギー学会誌
Online ISSN : 1882-2738
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インフルエンザ感染とテオフィリンクリアランスの変化
6例の気管支喘息児におけるインフルエンザウィルス感染時のテオフィリンクリアランスの変化
佐藤 好範関根 邦夫渡辺 博子大橋 裕美子青柳 正彦三之宮 愛雄西牟田 敏之
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1997 年 11 巻 4 号 p. 276-281

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抄録
テオフィリン (TP) は, 気管支喘息治療薬として主要な薬剤の一つである. しかし, TPの代謝, クリアランスは種々の条件により影響を受け中毒症状を来しやすいことが知られている.
今回我々は, 診断が明らかなインフルエンザウィルス (Inf) 感染時の, TPクリアランスの変化を経時的に検討した. その結果, 発熱に伴いTP血中濃度は約2倍に上昇し, クリアランスは2分の1に低下した. この変化は解熱後3日目に平常に戻った. またTP代謝産物の検討から発熱時にTPの代謝が抑制されている可能性が示唆された. Inf感染時には, 発熱と同時にTPの投与量を1/2に減量し, 解熱後3日目より, もとの投与量に戻すことによって, TP中毒を予防できうるものと考えられた.
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