日本小児アレルギー学会誌
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小児気管支喘息における発作強度とSpO2の関係についての検討
末廣 豊亀崎 佐織四宮 敬介
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1998 年 12 巻 3 号 p. 293-298

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抄録

パルスオキシメーターを用いて, 当科外来を受診した非喘息群, 非発作群, 喘息発作群の酸素飽和度 (SpO2) を測定した. 機種および機器による誤差を避けるため, 終始一台のパルスオキシメーターにて, 脈波を確実に拾っていることを確認しながら測定した. 結果は, 非喘息群 (n=118) 98.1±0.7%, 非発作群 (n=127) 97.9±0.8%, 小発作 (n=31) 96.7±0.7%, 中発作 (n=34) 95.7±1.6%, 大発作 (n=36) 91.4±4.2%であった. 非喘息群と非発作群の間には有意差はなかったが, 他の各群間にはすべての組み合わせにおいて有意差が認められた. このことから, 1) SpO2の正常値は96.7%以上, 2) 小児気管支喘息の非発作時はSpO2は正常で, 酸素化に関しては可逆性を保っている, 3) 小発作の半数は96.7%より低値で, すでにSpO2は低下している, 4) 発作強度が増すにつれSpO2は低下していくが, 中, 大発作になるにつれてばらつきが大きくなることがわかった.

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