日本小児アレルギー学会誌
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施設入院療法の効果と推移に影響する因子に関する検討
入院時気道過敏性の観点から
松原 和樹杉本 日出雄松田 秀一七条 孝三郎
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1999 年 13 巻 1 号 p. 23-28

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抄録

施設入院をした気管支喘息児214名を対象に, 入院時及び退院時の気道過敏性閾値, 呼吸機能, 運動負荷試験を検討した. さらに入院時の気道過敏性の閾値で2群 (1250μg/ml以上及び未満) に分け, 入院時の気道過敏性, 呼吸機能, 運動負荷試験に影響を与える因子を検討した. その結果, 1. 全症例での検討では入院時に比し退院時にはいずれの検査も著明に改善していた. 2. 入院時の気道過敏性が1250μg/ml未満の群では, 通年性になった時期から施設入院までの期間が長く, β刺激薬MDIの使用頻度が高かった. 3. 気道過敏性閾値が1250μg/ml以上の群では1250μg/ml未満の群に比し入院時, 退院時とも呼吸機能, 運動負荷試験で良好であった. 種々の薬剤により発作のコントロールが不良で家庭内外の環境の整備や鍛練が充分に行えない症例には施設療法を考慮することが望ましいと思われた.

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