日本小児アレルギー学会誌
Online ISSN : 1882-2738
Print ISSN : 0914-2649
ISSN-L : 0914-2649
卵白凍結乾燥粉末経口負荷試験と20分間パッチテスト, プリックテストの比較
和田 映子増田 進近藤 康人安藤 仁志徳田 玲子森田 豊山田 一惠宇理須 厚雄
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 13 巻 2 号 p. 7-14

詳細
抄録
問診, 卵白特異的IgE抗体価より鶏卵アレルギーが疑われた46例 (男児25例, 女児21例, 平均月齢±SD=38.6±24.3ヵ月 (11~124ヵ月) を対象に, 卵白凍結乾燥粉末 (以下凍乾末) を用いて20分間パッチテスト, プリックテスト, 経口負荷試験を実施した. Receiver operating characteristic (以下ROC) curve を用いて, 20分間パッチテストは膨疹出現以上の反応を, プリックテストは3mm以上の膨疹を陽性とし, 経口負荷試験は即時型過敏反応が現れた場合を陽性と判断した. 20分間パッチテストと経口負荷試験の結果の一致率は73.9%であり, プリックテストで同様の検討をすると60.9%であった. また, 3歳未満と3歳以上に分けて同様の検討をすると, 3歳未満の20分間パッチテストの一致率が79.2%と最も高かった. 以上より, 卵白凍乾末による20分間パッチテストはプリックテストより経口負荷試験 (即時型反応) との一致率が高く, 特に3歳未満で一致率が高いことが明らかになった. 従って特に低年齢児において卵白即時型反応の診断的意義があることが示唆された.
著者関連情報
© 日本小児アレルギー学会
前の記事 次の記事
feedback
Top