2019 年 31 巻 5 号 p. 789-796
本研究は,多種多様な対人コミュニケーション場面において,ロボットがどの程度選好されるのか,ロボットの外観も条件に加えて検討をおこなった.また,そのロボット選好において,対人不安傾向が影響しているかについても検討をおこなった.成人男女742名を対象に検討をおこなった.その結果,コミュニケーション相手としてロボットを選択する者の割合は比較的大きく,人間に近いが金属・機械の見た目のロボットよりも人間と見た目がそっくりのロボットの方が選好される傾向が認められた.また,対人不安傾向が大きい者は,人よりもロボットを選好し,場面によっては同じロボットであっても人間に近いが金属・機械の見た目のロボットを選択していることが示された.ロボットを日常生活に導入していく際の促進要因または抑制要因の一端が明らかになったといえる.