日本小児アレルギー学会誌
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再発性クループに関するアレルギーの関与
女川 裕司鈴木 五男松本 生西間 三馨佐々木 望
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2000 年 14 巻 2 号 p. 189-200

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抄録
最近, アレルギーとの関連のため注目されている再発性クループの臨床像の検討をした. 1976年2, 月から1988年6月まで国立療養所南福岡病院にクループ症候群のため入院した40例の中で2回以上再発したものは4例 (10%) であった. その4例と埼玉県立寄居こども病院で経験した再発性クループ6例の検討をした. 従来の報告同様に男児に多く, アレルギーの家族歴・既往歴が濃厚で血清IgEも大部分が高値を示した. このように再発性クループにアレルギーの関与が濃厚であった. 次に, これらを確認するため埼玉県の小学生7131名を対象にアレルギーと再発性に着目したクループ症候群の頻度調査を行った. クループ症候群は1404人 (19.7%) のうちに再発性クループは367人 (5.1%) で, 平均2.8回, 最高11回のエピソードを有していた. クループ症候群, 再発性クループともに, アレルギーの家族歴, 合併・既往は各々70%以上とかなり高率であった. 以上よりクループ症候群の診療の際にはアレルギーの関与も考える必要があると考えられた.
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