日本小児アレルギー学会誌
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喘息死委員会レポート'99
日本小児アレルギー学会・喘息死委員会鳥居 新平赤坂 徹松井 猛彦西間 三馨三河 春樹
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2000 年 14 巻 2 号 p. 219-231

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抄録

1990年から1999年10月までに登録された喘息死のうち発作以外による死亡例10例を除くと160例になるが, その他記載不明例を除き, 主として158例について解析した.
今回はとくに喘息死の経時的変化を観察するために1998年から1994年までと1995年から1998年までの2グループに分けて解析した.
男女比は前半が70/35に対して後半が28/25であり, 低下傾向がみられた.
重症度に関しては前半と後半で差をみとめなかった.
死亡に関与した要因に関してはこれまでの成績通り, 予期せぬ悪化が最も多く, 前半に比べ, 後半では増加傾向がみられた. 適切な受診時期の遅れは減少傾向がみられた.
薬剤過剰投与が喘息死の要因, あるいはその疑いがあるとされた例は21例であるが, 14例が定量噴霧式吸入器 (MDI) 使用例であった. そのうち64%が feneterol 使用例であり, 14%が tulobuterol 使用例であった.

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