日本調理科学会誌
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ナトリウム型ジェランガムのゲル化に及ぼす降温速度変化の影響
森髙 初惠佐川 敦子船見 孝博窪田 健二
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2011 年 44 巻 1 号 p. 7-14

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抄録
0.3%塩化ナトリウム(NaCl)添加および無添加の0.8%ナトリウム型ジェランガムのゲル形成に及ぼす降温速度の変化の影響について,貯蔵弾性率を測定して検討した。
降温速度は貯蔵弾性率が増加し始める温度で変化させた。
0.3% NaCl添加0.8%ナトリウム型ジェランガムの貯蔵弾性率は,速い降温速度から緩慢な速度に変化させる測定よりも緩慢な降温速度から速い速度に変化させる測定において,より大きくなった。また,降温速度を変化させる前あるいは後の温度帯で降温速度を遅くすると,貯蔵弾性率の値は大きくなった。さらに,緩慢な降温速度から速い速度に変化させる測定において,降温速度を変化させ始める温度を低くすると貯蔵弾性率は大きくなった。
これらの結果は,貯蔵弾性率の増加前の温度帯での降温速度がゲルの三次元網目構造の形成に著しく大きな影響を持つことを示している。
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© 2011 一般社団法人日本調理科学会
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