日本小児アレルギー学会誌
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薬剤師による気管支喘息患者に対する吸入指導の実態調査
富山県内の病院薬局ならびに院外調剤薬局における差異について
横田 孝之足立 雄一尾上 洋一浜道 美紀板澤 寿子岡部 美恵山元 純子足立 陽子村上 巧啓宮脇 利男
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2001 年 15 巻 2 号 p. 208-214

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抄録
気管支喘息に対する吸入療法を効率良く継続するためには吸入指導が重要であるが, 近年院外処方箋発行を含む薬剤師業務の転換が進むにつれ薬剤師による吸入指導が行われるようになってきた. 今回, その実態を明らかにする目的で富山県内の31基幹病院薬剤部 (院内薬局) ならびに63院外調剤薬局 (院外薬局), 計94施設にアンケート調査を依頼した. 回答の得られた65施設中50施設 (76.9%) で吸入指導が実施されており, うち約半数が小児に対しても行っていた. 医師からの依頼で指導しているのは院内薬局の68.4%に対して, 院外薬局では12.9%と低率であった. 約半数の院内薬局で指導のために薬剤師自らが実技を行ったり, 患者に実際の吸入をしてもらっていたが, 院外薬局では約20%であった. 吸入指導で重点を置いている点として吸入手技を挙げているのは院内薬局の80%以上に対して院外薬局では50%以下であった. 以上のように, 吸入指導の内容は院内・院外薬局で大きく異なっており, 薬剤師のための吸入指導指針の作成が必要と考えられた.
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