日本小児アレルギー学会誌
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食物依存性運動誘発アナフィラキシー
相原 雄幸
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2004 年 18 巻 1 号 p. 59-67

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抄録

食物摂取後の運動によりアナフィラキシー症状が誘発されることがあり, これを食物依存性運動誘発アナフィラキシー (FEIAn) と呼ぶ. 一方, アナフィラキシーが運動のみで誘発される場合には運動誘発アナフィラキシー (EIAn) と呼ぶ. これらの疾患の病因や病態さらに疫学などについては必ずしも十分に明らかにされてはいない.
本邦では, 1984年にFEIAnの症例が初めて論文報告され, 近年これらの疾患の認識の向上とともに報告数の増加が認められる. 2000年末までに我々の調べえた範囲では約100例のFEIAn症例の報告がある. 今回は, これら報告例についてのまとめと我々の疫学調査について報告する. 疫学調査の結果からは, この疾患の有病頻度は比較的低く, 養護教諭を含め一般的に認知度も低いことが明らかになった. 学校での不慮の事故の危険性があるが, 発症予防には正しい診断と患者への指導さらには学校医を含めた一般医や養護教諭, 体育教諭などへの啓蒙が必要と考えられる.

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