日本小児アレルギー学会誌
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小児の鼻汁スメアとダニ特異IgG抗体との検討
近藤 知己赤沢 晃岩原 順子三輪 文代小田島 安平飯倉 洋治荒川 とよ子
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1988 年 2 巻 1 号 p. 1-6

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抄録
アレルギー性鼻炎患者212名を対象とし, 抗原特異IgG抗体の意義について考える目的で, 鼻汁スメア中の細胞と抗原特異IgG, IgE抗体との関係を見てみた. その結果, 鼻汁好酸球と特異IgE抗休, 特異IgG抗体とは正の相関がみられた. 鼻汁 mast cell と特異IgE抗体は正の相関がみられたが, 特異IgG抗休とは相関はみられなかった. 鼻汁好中球については, 鼻汁好酸球と正の相関がみられた. また, 鼻にダニ抗原の負荷テストを行ったところ, 血清中の特異IgG抗体が陽性のものが鼻汁ヒスタミンが高く, また, 鼻汁スメア中に好中球が多いものは好中球がでていないものに較べて, 鼻汁中NCFが高くなる傾向が得られた. 以上のように鼻アレルギーでは好中球とこれより放出される化学伝達物質, 好酸球と抗原特異IgG抗体, Mast cell と抗原特異IgE抗体, 好塩基球その他が複雑に絡み合って, 複雑な病像を呈するものと考える.
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