日本小児アレルギー学会誌
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受動喫煙の気管支喘息児の呼吸機能に及ぼす影響
溝尻 素子真田 幸昭
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1988 年 2 巻 1 号 p. 7-12

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抄録
国立療養所兵庫中央病院に長期入院中の気管支喘息児15名に副流煙のみでCO7~8ppm, 30分間の受動喫煙負荷を行った.
負荷前及び負荷6時間後まで Flow-volume Curve, FRC, TGV, Raw, SGawを測定し, また, 負荷2時間後までのCO-Hbも測定した.
CO-Hbは0.21%上昇し, 負荷中止2時間後も高値を示した。
Flow-volume 系には有意の差がなかったが, FRC, TGVの低下, Rawの上昇, SGawの低下が見られた.
特に負荷6時間後もRawの上昇, SGawの低下傾向が持続した.
タバコ煙に対するアレルゲンテストが陰性であり, これらの受動喫煙による変化はアレルギー機序よりもタバコ煙のもつ易刺激性が非特異的刺激として, 気道過敏性を介して発作誘発をもたらすと推測される.
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