軽量で操作が簡単かつ電源が乾電池である呼吸機能検査装置, WINDMILL
®(KINETICS MEASUREMENT CORP., TUXEDO, N. Y.) は努力性肺活量 (FVC) と一秒量 (FEV
1) を同時に測定できるため, この装置を用いて, 気管支喘息患者を対象に現在, 臨床の分野でも広く使用されている hot wire 式の autospirometer (AS-1500, ミナト医科製) と比較検討した. 23歳から33歳の健常成人15名による検討ではWINDMILL
®による測定値は autospirometer に比べて低値をとる傾向にあったが, 男性のFVC (r=0.60) を除いて高い相関関係にあった. 6歳から22歳までの喘息患者34名での検討でも同様の傾向にあったが, 相関係数は高かった. しかしFEV
1に比べてFVCの方が相関係数が低く, 特にFVCが2.0L以下ではr=0.12と低くなり, 問題点と考えられた. しかし, 個人間での再現性は良く, 測定対象を実際に努力性呼出が可能となる小学校中学年以上に限れば十分に使用でき, その簡便さやFVCとFEV
1が同時に測定でき詳しい情報が得られるなどから考えて, 外来やベッドサイドでの呼吸機能検査装置として硬利と思われた.
抄録全体を表示