日本小児アレルギー学会誌
Online ISSN : 1882-2738
Print ISSN : 0914-2649
ISSN-L : 0914-2649
気管支喘息発作時における静脈血pHとテオフィリン蛋白結合率に関する検討
小田島 安平赤沢 晃近藤 知己飯倉 洋治水内 秀次
著者情報
ジャーナル フリー

1988 年 2 巻 1 号 p. 13-17

詳細
抄録
気管支喘息発作の治療にアミノフィリンの点滴静注が広く行われている. そして気管支喘息時には発作強度により血液のpHは大きく変化することが特徴の1つであり, テオフィリンはpHにより蛋白結合率を変えることが知られている. そこで実際の気管支喘息発作時にアミノフィリンの点滴瀞注前後で静脈血pHおよび血漿中テオフィリンとフリーテオフィリンの測定を行い比較検討した.
1. フリーテオフィリンと total テオフィリンは有意の正の相関を認めた (r=0.966, P<0.001).
2. 点滴前後でpHは7.337から7.477まで分布しているが, この程度のpHの変化では, pHとテオフィリンの蛋白結合率の間に何等の相関を認めなかった.
3. % free theophylline は total テオフィリン血中濃度と有意の正の相関を示し, % free theophylline は total の血中濃度が大きくなるほど大きくなった (r=0.351, P<0.01).
4. 年齢による% free theophylline を検討したが, 1~5才の6名では40.4±4.1%, 6~11才の12名では33.1±3.9%, 12才以上の7名では31.1±17.7%であった. 年齢が上がるにつれて, % free theophylline は下がる傾向があったが, 有意な結果ではなかった.
著者関連情報
© 日本小児アレルギー学会
前の記事 次の記事
feedback
Top