日本小児アレルギー学会誌
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気管支喘息の大発作後6カ月以上にわたって呼吸管理をおこなった13歳男児死亡例の臨床経過
浜崎 雄平放生 稔坂本 亘司宮崎 澄雄西間 三馨
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1990 年 4 巻 1 号 p. 39-46

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抄録
長期入防施設で, 3年間の加療後, 外来治療に変更して3カ月目に大発作をおこし, 6カ月間人工呼吸管理をおこない死亡した気管支喘息の13歳男児例を報告した. 1. IgE値は入院中, 次第に低値となったにもかかわらず, 発作は軽減せず, 機序として気道過敏性の重要性が強く示唆された. 2. 経過中に中枢性尿崩症があきらかとなり, これは脳波の低振幅化, 徐波化の所見と時間的に一致し, 無酸素脳症として予後不良の兆候と考えられた. 3. 本症例のような重症児の発作 (特に夜間の) による死亡を予防するためには, 気道過敏性の病態の解明に加えて, 両親および本人に発作時に具体的にどうするのかを, 繰り返し徹底する必要があると考えられた.
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