日本小児アレルギー学会誌
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夏期喘息学校におけるピークフローメーターの測定意義について
測定値によるグループ分けと, 各グループにおける水泳およびハイキング実施時の測定値の変動の検討
小屋 二六鈴木 慎一郎斎藤 誠一
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1990 年 4 巻 1 号 p. 29-38

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抄録
我々は6日間の夏期喘息学校にて, 毎日3回ピークフロー値を測定し, 日常生活におけるピークフロー値の変動状態を検討した.
対象は9~15歳の気管支喘児65名である. %PEFR値が常に100%を越えた群: Ia群, 常に70%を越えた群: Ib群, 70%を割る値を一回有した群: II群, 二回以上有した群: III群として検討すると, 起床時の%PEFR値は5回のうち3回有意な差にて, Ia>Ib・II>IIIという結果を示した. 日中, 就寝時の結果ではIa>Ib・II・IIIという関係が12回のうち10回を占めた. 次にフロー値変化状態をみるため, 水泳, ハイキング前後に測定した%PEFR値の前後比を検討した. 水泳では, Ia・Ib群に対しII, III群とも有意な高値を示した. ハイキングでは, Ia・Ibに対しII群は有意な低値を, III群は有意な高値を示す結果となった. そこで, 途中の休憩時における%PEFR値を加え, 休憩前と後の運動前後比を検討すると, Ia群では差を認めないが, Ib, II, III3群では休憩前より, 後の運動前後比が有意に低値となり, 両者の差異が明らかとなった.
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