抄録
小児気管支喘息患者にβ刺激薬をMDIで投与し, 吸気速度の違いと臨床症状, 肺機能検査の変化を検討した. 対象は平均年齢11.6歳, 男12例, 女6例の計18例である. 結果はいずれも改善は良好であったが, 深くゆっくり (約3秒) 吸入する方が, 深く速く (約1秒) 吸入するのに比較して, より肺機能の改善度が高い傾向であった.
同様に, 吸入開始時の肺気量位の違いと臨床症状, 肺機能検査の変化を検討した. 対象は平均年齢11.4歳, 男14例, 女6例の計20例である. 結果はいずれも改善は良好であったが, 機能的残気量位から吸入する方が, 残気量位から吸入するのに比較して, より肺機能の改善度が高い傾向であった.