日本小児アレルギー学会誌
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5 巻 , 2 号
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  • 増田 敬, 岩崎 栄作, 向山 徳子, 馬場 実
    1991 年 5 巻 2 号 p. 54-61
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    小児気管支喘息児 (7~14歳) を対象にテオフィリン徐放剤 (テオドール ®) を用い, 1日1回投与 (OD投与) 法の臨床的有用性について薬物動態, 肺機能の面から1日2回分割投与 (BID投与) 法と比較検討した. その結果, 就寝前 (9:00PM) 内服のOD投与における Tmax は平均8.6時間, Cmax は18.3μg/ml, Cmin は3.4μg/mlであった. 9:00AMと9:00PMに内服のBID投与と比較すると5:00AM, 7:00AM, 9:00AMにおける血中濃度は有意 (P<0.01) に高かった. ODとBID投与の Cmax 間には相関 (r=0.660, P<0.05) が認められ, OD投与はBID投与の1.7倍であった. しかし, Cmax には個人内変動が認められることから, 臨床的には血中濃度モニタリングによって投与量を補正していくのが望ましい. 肺機能は, 5:00AMにおいて有意な改善を示した.
    以上の結果からRTC療法としてはテオドールではBIDが必要であるが, morning dip を予防する上では1日1回投与法は有用な治療法であると考えられる.
  • 大谷 智子, 椎貝 典子, 下田 恵子, 島貫 金男
    1991 年 5 巻 2 号 p. 62-68
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    最近, 増加しつつある乳児気管支喘息 (以下 乳児喘息) の予後の研究の多くは retrospective なものであり, prospective な報告は少ない. そこで著者らは乳児喘息の予後を prospective に調査すると共に, 予後に関連する因子について検討した.
    対象は, 昭和47年より57年の間に九段坂病院小児科外来を受診し, 乳児喘息と診断された138例の患児のうちアンケート調査を行い回答を得た者93例である.
    調査結果は, 緩解群 (無発作群) 29例 (31.2%), 略緩解群14例 (15.1%), 軽快群43例 (46.2%), 不変群7例 (7.5%) であり, 症状を有し治療を必要とする者が半数以上を占めた. また, 予後に関する諸因子をまとめると, IgEの高値, IgE-RASTのH. D., 牛乳, 特に卵白陽性は明らかに予後不良であり, 鼻汁中好酸球及び末梢血好酸球増多例も予後は悪い傾向にあった. 今回の調査の結果では乳児喘息の予後は楽観的ではないが, 早期に診断し適切な治療を早く開始することによって, 今後の予後成績の改善が期待される.
  • 桐野 良二, 西間 三馨, 小田 嶋博, 古庄 巻史, 廣田 常夫, 辻本 善樹, 須田 正智, 熊本 俊則, 久田 直樹
    1991 年 5 巻 2 号 p. 69-74
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    我々は, 自転車エルゴメーターによる運動誘発試験を気道過敏性試験として標準化し, 使用してきた. 今回新たに外来で使用できる, より安全で簡便な方法として, 蒸留水吸入による気道過敏性試験の検討を行なった. 対象は, 小児気管支喘息児22名である. 吸入は, 固定負荷にて4分間行ない, 吸入量は1.6±0.3ml/minであった. この方法における同一人物の再現性をFEV1.0でみると, 相関係数r=0.96, MMFではr=0.84と有意な相関がみられた. 重症度別では, 1秒量の最大低下率が, 軽症では28.0±17.1%, 中等症では39.4±10.0%, 重症では60.4±11.3%であった. この検査法を使用し, 九州小児気道過敏性研究会6施設において, 気管支喘息児53名の気道過敏性の検討をおこなった. その結果% fall がFEV1.0で38.4±22.1%, MMFでは50.6±23.4%であった. これらの結果より, 今回行なった蒸留水吸入試験は, 一定量一定時間の簡単な固定負荷試験であるが, 複数のパラメーターを同時に使用, 検討する事により, 気道過敏性の評価が十分可能であると思われた.
  • 廣田 常夫, 古庄 巻史
    1991 年 5 巻 2 号 p. 75-80
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    中等症~重症のアトピー性皮膚炎を有し, 気管支喘息と考えられる気道症状の既往がない乳幼児73例を対象として, ケトチフェン内服による喘息発症予防効果をみた. これらの乳幼児を抗アレルギー剤を内服しないコントロール群33例 (男児17例, 女児16例, 平均年齢10.8カ月) と1年間ケトチフェン0.8mg/dayを内服するケトチフェン群40例 (男児21例, 女児19例, 平均年齢13.7カ月) に分けて, 1年後に喘息発症の有無, 血清IgE値の変化, ダニ, 卵白, 牛乳に対するRASTの変化などをみた. 喘息の発症率はコントロール群で発症なし21.2%, 小発作のみ63.6%, 中~大発作も起こしたもの15.2%, ケトチフェン群では, 発症なし45.9%, 小発作のみ43.2%, 中~大発作も起こしたもの10.8%でケトチフェン群のほうが有意に発症率が低かった (P<0.05). 血清IgE値の変化をみると, 1年後ケトチフェン群のほうが血清IgE値が上昇, 著増するものがコントロール群より有意に少なかった (P<0.001). しかし, ダニ, 卵白, 牛乳に対するRASTの変化には両群間に有意差はなかった.
  • 松井 猛彦, 市川 邦男, 山口 公一, 小田嶋 博, 岩崎 栄作, 向山 徳子, 馬場 実
    1991 年 5 巻 2 号 p. 81-88
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    同愛記念病院小児科を受診したことのある小児気管支喘息患者で, 喘息が関与して死亡したと考えられる患者の中死亡前1年間の発作状況を確認し得た18例につき検討し, 以下の結果を得た.
    死亡前1年間の毎日の発作状態をスコア化し, 1カ月毎の発作スコアを算出, 死亡前12カ月について検討すると5つの類型 (I. 急速悪化型, II. 頻発型, III. 再悪化型, IV. 軽快後突然型, V. 突然型) に大別された.
    突然型は思春期の, 昭和55年以降の最近の症例に多く, 発作入院歴, 経ロステロイド投与歴がない症例が多数を占めていた. 急速悪化型, 頻発型, 再悪化型, 軽快後突然型はいずれもステロイド内服歴のある症例が多数を占めステロイド投与と発作型の関連が示唆され, 発作入院歴は軽快後突然型では少なかった. 1カ月の最大発作スコア100以上の症例は5例であった. 意識喪失を来すほどの発作歴は2例に認めたに過ぎず, 死亡前1年間の発作入院歴は必ずしも多くない.
  • 西間 三馨, 小田嶋 博, 宮島 一郎, 久田 直樹, 古賀 龍夫, 宮崎 澄雄, 浜崎 雄平, 辻 芳郎, 辻本 善樹, 下村 正彦, 熊 ...
    1991 年 5 巻 2 号 p. 89-96
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    小児気管支喘息患者にβ刺激薬をMDIで投与し, 吸気速度の違いと臨床症状, 肺機能検査の変化を検討した. 対象は平均年齢11.6歳, 男12例, 女6例の計18例である. 結果はいずれも改善は良好であったが, 深くゆっくり (約3秒) 吸入する方が, 深く速く (約1秒) 吸入するのに比較して, より肺機能の改善度が高い傾向であった.
    同様に, 吸入開始時の肺気量位の違いと臨床症状, 肺機能検査の変化を検討した. 対象は平均年齢11.4歳, 男14例, 女6例の計20例である. 結果はいずれも改善は良好であったが, 機能的残気量位から吸入する方が, 残気量位から吸入するのに比較して, より肺機能の改善度が高い傾向であった.
  • 加野 草平, 西間 三馨
    1991 年 5 巻 2 号 p. 97-106
    発行日: 1991/06/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    Disodium cromoglycate (DSCG) とβ2刺激薬の併用効果を高張食塩水 (Hypertonic saline: HS) 吸入試験をもちいて評価した. 気管支喘息児10例に, saline (control: C), DSCG (D), salbutamol (S) の吸入後15分の時点と, C, D, SにS吸入後にDを吸入する群 (S→D群), SとDを混合して吸入する群 (S+D群) を加え, それぞれの吸入後3時間の時点で計8回の4.5% HS吸入試験を行なった.
    吸入後3時間までのFEV1.0に関しては, S群, S→D群, S+D群において有意な気管支拡張効果を認めたが, 各群間での有意差は認められず, DSCGを併用することによる気管支拡張効果の増強は認められなかった.
    一方, 吸入15分後の4.5% HSによるPD20は, S群, D群ともに有意に上昇していたが, 吸入3時間後では, D群では control 群と有意差を認めず, DSCGの効果はほぼ消失していた. しかし, S→D群, S+D群ではS群に比べ有意なPD20の上昇を認めた (P<0.05). また, S→D群とS+D群の間には有意差は認められなかった.
    さらに, DSCGの吸入液の濃度を10mg/mlと20mg/mlに変化させた場合の試験を追加し, DSCG吸入量の違いによるHSによるPD20を検討したが, 両者の間に差を認めなかった.
    以上の結果から, 高張食塩水による気道収縮が salbutamol とDSCGの併用吸入により相乗的に抑制されることが示唆された.
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