Disodium cromoglycate (DSCG) とβ
2刺激薬の併用効果を高張食塩水 (Hypertonic saline: HS) 吸入試験をもちいて評価した. 気管支喘息児10例に, saline (control: C), DSCG (D), salbutamol (S) の吸入後15分の時点と, C, D, SにS吸入後にDを吸入する群 (S→D群), SとDを混合して吸入する群 (S+D群) を加え, それぞれの吸入後3時間の時点で計8回の4.5% HS吸入試験を行なった.
吸入後3時間までのFEV
1.0に関しては, S群, S→D群, S+D群において有意な気管支拡張効果を認めたが, 各群間での有意差は認められず, DSCGを併用することによる気管支拡張効果の増強は認められなかった.
一方, 吸入15分後の4.5% HSによるPD
20は, S群, D群ともに有意に上昇していたが, 吸入3時間後では, D群では control 群と有意差を認めず, DSCGの効果はほぼ消失していた. しかし, S→D群, S+D群ではS群に比べ有意なPD
20の上昇を認めた (P<0.05). また, S→D群とS+D群の間には有意差は認められなかった.
さらに, DSCGの吸入液の濃度を10mg/mlと20mg/mlに変化させた場合の試験を追加し, DSCG吸入量の違いによるHSによるPD
20を検討したが, 両者の間に差を認めなかった.
以上の結果から, 高張食塩水による気道収縮が salbutamol とDSCGの併用吸入により相乗的に抑制されることが示唆された.
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