日本小児アレルギー学会誌
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CAPシステムによる特異IgE抗体の測定と従来のペーパーディスクによるRAST法, skin prick test との比較
土井 悟山本 尚美永井 秀山田 政功伊藤 浩明鳥居 新平井口 淑子上田 雅乃菊池 哲
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1991 年 5 巻 3 号 p. 137-143

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抄録
アレルゲン特異IgE抗体測定には, 従来ペーパーディスクによるRAST法が使用されてきたが, 近年CAPシステムと呼ばれる方法が開発された. 今回我々はCAPシステムによる特異IgE抗体を測定し, ペーパーディスクによるRAST法, プリックテストと比較した. アレルギー性疾患患者126名を対象に蛍光酵素抗体CAP法で15のアレルゲンに対する特異IgE抗体を測定し, 同時にペーパーディスクによるRAST法とプリックテストを実施した. CAP法とRAST法との相関はハウスダストと犬皮屑を除いて吸入性抗原, 食物性抗原ともに良好であった. 吸入性抗原では, CAP法の感受性がやや鋭敏であると思われ, 特に犬皮屑, スギ花粉の場合に顕著であった. ハウスダストに関しては両者の一致率は悪く感受性の面でもCAP法はRAST法に劣ってた. 一方CAP法とプリックテストとの相関も良好で, やはり吸入性抗原でのCAP法の感受性が高かった. 今回の検討からはCAPシステムは特異IgE抗体測定方法として信頼性が高く, そのほか従来のRAST法にはない種々の利点を持つ優秀な検査法と思われた.
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