日本小児アレルギー学会誌
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乳児アレルギー健康診査に関する検討
3・4カ月健康診査児を対象として
笹本 明義斎藤 誠一岸田 勝内山 宏幸松本 広伸鈴木 五男小屋 二六青木 継稔沢 節子吉村 伸子有田 昌彦小渋 達郎飯倉 洋治
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1992 年 6 巻 2 号 p. 33-39

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抄録

東京都目黒区では, 平成2年度よりアレルギー・マーチを予防することを目的として, 乳児アレルギー健康診査を開始した.
対象患児は平成2年7月から平成3年6月までの間に3・4カ月健康診査にて碑文谷保健所を来所し, アレルギー一次アンケートに回答した762名の中から選びだした.
結果は以下の通りであった.
(1) アレルギー健康診査対象者は102名 (13.4%) であった.
(2) 対象者は冬が最も多く, 夏減少する傾向にあった (2月: 15名, 8月: 2名).
(3) 3・4カ月健康診査以前に湿疹治療のために病院を受診した数は252名 (33.1%) で, 小児科が175名 (70.0%) を占めていた.
(4) 母乳栄養児のアレルギー健康診査対象児は, 人工栄養児と比較して有意に高率であった.
(5) 家族のアレルギー歴では, 両親のアトピー性皮膚炎のアトピー素因移行率が高率であった.
(6) 食物では卵白に対するRAST陽性率が最も高率で, prick test との相関も高かった.

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