日本小児アレルギー学会誌
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乳幼児気管支喘息に対するアミノフィリン持続点滴療法の発達薬理学的検討
市川 邦男岩崎 栄作遠山 歓山口 公一宮林 容子増田 敬関根 孝哉山浦 美砂向山 徳子馬場 實
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1992 年 6 巻 2 号 p. 75-81

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抄録

乳幼児におけるテオフィリンクリアランスの発達を明らかにし, アミノフィリン持続点滴療法の維持投与量を検討するために, 満2カ月から満6歳までの乳幼児に対して行われた持続点滴療法につき検討を加えた. 患児684例に対し350例 (51.1%) に持続点滴が施行され, その施行頻度は低年齢児ほど高く, 1歳以下の乳児では72.9%に本療法が行われていた. テオフィリンクリアランスの算出できた161例につき検討すると, 2歳以下ではクリアランスが2歳から6歳以下の児に比較して低下しており, 特に6カ月以下の児では約2分の1 (0.0371/kg/h) であった. また6カ月から1歳以下の児ではクリアランスのばらつきが大きくその発達に個人差があることが示唆された. 10名につき2歳までの個人内クリアランスの変化を検討したところ, 同様に乳児期におけるクリアランスの発達が認められた. 以上の結果に基づきアミノフィリン維持投与量として6カ月以下0.5mg/kg/h, 6カ月から1歳以下0.6mg/kg/h, 1歳から2歳以下0.8mg/kg/h, 2歳から6歳以下0.9mg/kg/hが適当と考えられた.

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