日本小児アレルギー学会誌
Online ISSN : 1882-2738
Print ISSN : 0914-2649
ISSN-L : 0914-2649
小児気管支喘息の臨床経過と呼吸機能・気道過敏性についての検討
宮林 容子向山 徳子馬場 実
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 6 巻 2 号 p. 68-74

詳細
抄録

喘息患者72例, アレルギー性疾患患者18例, 健常者16例についてオッシレーション法によるアストグラフを用いてメサコリン吸入試験を行い気道過敏性について検討して, 次のような結果を得た.
1) 初期コンダクタンス (Grs cont) は, 喘息患者は健常者より低値であった.
2) メサコリン吸入試験の陽性率は重症~軽症喘息, 有症状の“ほば寛解”で高く, 無症状の“寛解”は健常者と差を認めなかった.
3) 気道感受性 (Dmin) は, 重症程低値で,“寛解”は健常者と差を認めなかった.
4) Dmin と非発作期間の間に正の相関を認めた.
5) 気道反応性 (SGrs/Grs cont) は各群間に差を認めなかった.
以上より気道過敏性の改善には無症状期間の持続が重要であると考えられた.

著者関連情報
© 日本小児アレルギー学会
前の記事 次の記事
feedback
Top