日本小児アレルギー学会誌
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Disodium Cromoglycate (DSCG) が気管支喘息児の気道過敏性に及ぼす影響
井上 寿茂土居 悟高松 勇村山 史秀亀田 誠林田 道昭豊島 協一郎
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1993 年 7 巻 2 号 p. 53-58

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抄録

disodium cromoglycate (DSCG) が気道過敏性に及ぼす影響を検討するため、比較的発作回数の少ない気管支喘息児を対象に、D群 (DSCGを3カプセル/日吸入する群; 19例) とC群 (予防的薬物投与を行わない不投薬群; 19例) に分け、アセチルコリン吸入試験を、治療開始前、治療開始3カ月後 (D群10例、C群14例)、6カ月後 (D群7例、C群5例)、1年後 (D群15例、C群10例) に経時的に行った。アセチルコリン閾値は3カ月後にはD群、C群共有意な変動を示さなかったが、6カ月後には両群とも上昇傾向を示した。一年後にはD群は有意な上昇を示したが、C群では有意な変動は認めなかった。DSCG吸入により気道過敏性の改善を得るには長期間連用することが必要であることがわかった。また1年間の治療前後で末梢血好酸球数の変動をみると、D群でのみ有意に末梢血好酸球数が減少しており、DSCGが気道局所の好酸球動態に影響を与え、気道過敏性の改善に関与している可能性が考えられる。

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