日本小児アレルギー学会誌
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多種類の抗原に感作され Chinese restaurant syndrome を合併したと考えられる1例
山口 公一増田 敬馬場 実荒井 康男
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1993 年 7 巻 2 号 p. 80-84

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抄録

多種類の抗原により感作され, さらに化学調味料摂取により喘息発作と蕁麻疹が誘発され, Chinese restaurant syndrome を合併していると考えられた気管支喘息の症例を経験した. IgERASTで検索した食物抗原38種のうち37種がスコア2以上を示し, 臨床症状との陽性一致率は82%であった. 食物抗原による誘発症状はほとんどが即時型を呈した. 化学調味料負荷試験にて約15分後に喘息発作と蕁麻疹が誘発された. 化学調味料およびその主成分であるグルタミン酸ナトリウムによる皮膚試験や末梢血を用いたヒスタミン遊離試験では陰性であったが, 負荷前後で血中ガストリン値に変動がみとめられ, ガストリンによる皮膚試験で陽性反応がみとめられ, その発症機序としてガストリンを介するような非アレルギー的な機序が示唆された.

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