1993 年 7 巻 3 号 p. 124-133
気管支喘息児の家庭における空気清浄機の効果について検討を行った. 対象は, 国立小児病院アレルギー科に通院中の5~13歳の中等症以上の気管支喘息児17名で, これを空気清浄機にフィルターを装着した群12名と装着していない群5名の2群に分けて検討した. 第一製薬社製ベルフロースーパーを使用し, 観察期間・使用期間・観察期間の3つの期間に分けて, 臨床症状および呼吸機能の変化を朝, 昼, 夜に分けて評価した. 結果は, フィルター装着群では呼吸困難・疾・鼻水・睡眠障害に有意な改善が認められた (p<0.05). 喘息に関しては夜間に有意な改善が認められた (p<0.05). しかし, フィルター未装着群では改善はみられなかった. また, 呼吸機能に関しては有意な上昇は認められなかった.
以上より, 空気清浄機は気管支喘息児の治療に有効な一手段であり, 症状改善に有用と思われた.