日本小児アレルギー学会誌
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7 巻 , 3 号
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  • 藤井 克範, 木下 修一, 高山 裕規
    1993 年 7 巻 3 号 p. 94-101
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    2歳は腹式呼吸より胸腹式呼吸に変わる節目であり, 気管支喘息・喘息様気管支炎の病態も変化する.
    今回, 我々は1986年11月から1989年12月までに気管支喘息・喘息様気管支炎にて入院した2歳未満の乳幼児45人, 58症例 (A群) と2歳以上から4歳未満の幼児62人, 80症例 (B群) の臨床像を比較検討した.
    A群の平均年齢は1歳2ヶ月 (男39, 女19) B群の平均年齢は2歳10ヶ月 (男50, 女30) である. 入院時の発作の程度は中発作以上がA群26/58 (44.8%) B群49/80 (61.2%) とA群はB群より軽症であった. 入院日数はA群の平均6.29日, B群の平均5.33日とA群がB群より長かった. (P<0.05) 入院までの有症状日数, 入院時IgE値, 入院時好酸球数には両群に有意差はなかった. 合併症では肺炎・気管支肺炎がA群に35/58 (60.3%) B群に38/80 (47.5%) とA群の合併率が高かった. (P<0.025)
    治療ではネオフイリン持続点滴日数に有意差はなかったが, β刺激剤吸入日数はA群の平均5.59日, B群の平均4.60日とA群がB群より長かった. (P<0.05) ステロイド吸入例数はA群16/58 (27.6%) B群6/80 (7.5%) とA群に多かった. (P<0.01) また, イソプロテレノール持続吸入がA群11/58 (19%) B群1/80 (1.2%) とA群に多かった. (P<0.01) ステロイド剤静注治療はA群3例 (ハイドロコーチゾン全量で70mg-270mg) B群4例 (同様に40mg-180mg) に行った.
    A群はB群に比べて感染傾向が強く, β刺激剤・イソプロテレノール・ステロイドの吸入治療の必要性が高く, 長期の入院を必要とした.
    尚, B群がA群より中発作以上が多かったのは呼吸様式の変化により生じたと考える.
  • 中村 亨, 西間 三馨
    1993 年 7 巻 3 号 p. 102-108
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    小学校1~6年生に行ったATS-DLD日本版・改訂版によるアンケート調査 (調査対象3356名, 回収率97.3%) の資料をもとに, 気管支喘息の定義の違い, 特に狭義 (厳密な定義), 広義 (概ねの定義), 累積率などにより罹患率がどの程度異なってくるか検討した. 結果は以下の通りであった.
    狭義の気管支喘息罹患率: 5.23%
    狭義の気管支喘息累積罹患率: 7.07%
    広義の気管支喘息累積罹患率: 8.90%
    喘鳴の罹患率: 4.65%
    喘鳴の累積罹患率: 13.57%
    病歴上の気管支喘息累積罹患率: 17.53%
    狭義の気管支喘息と喘鳴を合計した罹患率: 9.88%
    定義の違いによる罹患率の差は, 最大で3倍以上にものぼった. またいずれの定義においても高学年になるにしたがって罹患率は低下する傾向がみられた. 男女別にみると, いずれの定義においても男児の罹患率のほうが高かった.
  • 西間 三馨, 小田嶋 博, 宮島 一郎, 久田 直樹, 古賀 龍夫, 宮崎 澄雄, 浜崎 雄平, 山本 修一, 辻 芳郎, 辻本 善樹, 熊 ...
    1993 年 7 巻 3 号 p. 109-117
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    30例の小児気管支喘息患者にβ刺激薬をMDIで投与し, breath holding time の長短と臨床症状, 肺機能の変化を検討した. 3秒間と9秒間で群間に有意差はなかった.
    同様に, うがいの有無による臨床症状, 肺機能の変化を21例の喘息児で検討した. 結果は, うがいをしない群の方が肺機能の改善が良好であった.
    以上より, 小児におけるβ刺激薬MDIの至適吸入指導は「吸入後は3秒以上の息こらえをし, うがいはしなくてもよい」となった.
  • 小田島 安平, 広瀬 久忠, 生井 明浩
    1993 年 7 巻 3 号 p. 118-123
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    小児の気管支喘息では, 副鼻腔にレントゲン上の異常陰影が高率に認められ, これら副鼻腔炎合併気管支喘息では副鼻腔炎の治療に反応し, 気管支喘息症状の改善ばかりか呼吸機能の改善が得られると報告されている. また, アレルギー性鼻炎では肥厚性陰影の上顎洞炎が合併しやすいとの報告がある. そのため今回, 咳嗽, 喘鳴などの喘息症状のコントロールが充分でない気管支喘息児59例を対象とし, Waters' position にてレントゲンを撮影. 上顎洞陰影を肥厚性のものびまん性のものに分け, 臨床症状検査結果との対比を行なった.
    1. レントゲンの結果は正常7名, 軽度の上顎洞辺縁の粘膜肥厚11名, 中等度の粘膜肥厚10名, 強度の粘膜肥厚2例上顎洞全体の軽度のびまん性陰影9名中等度20名である. またこのうち前頭洞陰影合併例13例, 篩骨洞陰影合併例9例であった. びまん性陰影の高度のもの及びポリープ様陰影はなかった.
    2. 副鼻腔炎の合併例では, 夜間の咳嗽, 微熱, 鼻閉, 頭痛等の症状が半数以上の症例で認められた.
    3. 副鼻腔炎合併例を肥厚性陰影とびまん性陰影でわけIgE値500IU/mlを境界にして調べると, 500IU/mlを越えるものが肥厚性陰影では23例中14例であるのに対し, びまん性陰影では29例中9例であり, IgEが肥厚性陰影合併例で高く, アレルギーと肥厚性陰影との関連が示唆された.
    以上, 症状のコントロールがむずかしい気管支喘息では高率に副鼻腔病変を合併するため, 治療を行なう上で副鼻腔合併症の有無を検討していく必要があると考える.
  • 椿 俊和, 小澁 達郎, 松田 秀一, 岩崎 郁美, 杉原 雄三, 赤澤 晃, 小幡 俊彦, 飯倉 洋治
    1993 年 7 巻 3 号 p. 124-133
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    気管支喘息児の家庭における空気清浄機の効果について検討を行った. 対象は, 国立小児病院アレルギー科に通院中の5~13歳の中等症以上の気管支喘息児17名で, これを空気清浄機にフィルターを装着した群12名と装着していない群5名の2群に分けて検討した. 第一製薬社製ベルフロースーパーを使用し, 観察期間・使用期間・観察期間の3つの期間に分けて, 臨床症状および呼吸機能の変化を朝, 昼, 夜に分けて評価した. 結果は, フィルター装着群では呼吸困難・疾・鼻水・睡眠障害に有意な改善が認められた (p<0.05). 喘息に関しては夜間に有意な改善が認められた (p<0.05). しかし, フィルター未装着群では改善はみられなかった. また, 呼吸機能に関しては有意な上昇は認められなかった.
    以上より, 空気清浄機は気管支喘息児の治療に有効な一手段であり, 症状改善に有用と思われた.
  • 向山 徳子, 岩崎 栄作, 遠山 歓, 山口 公一, 市川 邦男, 宮林 容子, 増田 敬, 馬場 実, 難波 敏彦
    1993 年 7 巻 3 号 p. 134-142
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    出生時より, 小児アレルギー疾患の発症の予測を検討するため, 臍帯血中のIgEならびに IgE-binding factor (IgE-BF) および新生児血IgEを測定した. 1988年11月より1991年10月までの3年間に出生した新生児555例につき, その後1年~3年の経過観察によりアレルギー疾患の発症との関連につき検討を加えた.
    臍帯血IgEは非アトピー群において98.5%の症例は0.5IU/ml未満であり, アトピー群においては0.5IU/mlを境に二峰性を示していた.
    二親等内の家族歴にアレルギー疾患の保有があり, 臍帯血IgE値が0.5IU/ml以上の症例においては70.3%にアレルギー疾患の発症がみられた. 二親等内の家族歴にアレルギー疾患を保有せず, 臍帯血IgE値が0.5IU/ml以上の場合は66.7%にアレルギー疾患の発症がみられた.
    一方, 二親等内の家族歴にアレルギー疾患を保有せず, 臍帯血IgE値が0.5IU/ml未満の場合は, アレルギー疾患の発症は10.9%であった.
    二親等内の家族におけるアレルギー疾患の保有と, 臍帯血IgE 0.5IU/ml以上の組合せが最も発症率が高かった.
  • 1993 年 7 巻 3 号 p. 144-196
    発行日: 1993/08/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
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