日本小児循環器学会雑誌
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小児期肺高血圧と先天性心疾患に伴う肺血管病変研究の最近の進歩:第5回肺高血圧国際シンポジウム(ニース, 2013年)を前に
三谷 義英
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2013 年 29 巻 1 号 p. 17-26

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抄録

2013年に第5回肺高血圧国際シンポジウム(ニース)が予定されるなか, 小児肺高血圧と先天性心疾患に伴う肺血管病変, 特に肺高血圧治療薬の効果の大規模データ, 小児肺動脈性肺高血圧の疫学と分類, 遺伝子型表現型関連と病態, 患者肺・新規動物モデルを用いた橋渡し研究, アイゼンメンジャー症候群の疫学と治療, フォンタン群・低形成肺動脈群への肺高血圧治療薬の応用に関して, 2008年, 第4回肺高血圧国際シンポジウム(ダナポイント)以降の知見を中心に概説する. 今後, 血管生物学, 分子細胞生物学などのミクロの生物学と大規模登録研究に基づくマクロの臨床・疫学像が, 分子遺伝学, ヒト肺検体・ヒト肺動脈性肺高血圧類似動物モデルの血管医学研究を基盤として融合され, 本症の病因, 病態の理解の進歩と新たな治療法開発に繋がることが期待される. 肺高血圧, 肺循環障害, 右室不全など「右心系」の研究が, 血管医学, 心不全の新たな領域として発展することが期待される.

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© 2013 特定非営利活動法人 日本小児循環器学会
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