日本小児循環器学会雑誌
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原著
主要体肺側副血行を有する小児の中長期的予後
伊藤 健一郎青墳 裕之中島 弘道東 浩二江畑 亮太脇口 定衛藤原 直青木 満萩野 生男山本 昇中村 祐希榎本 吉倫杉村 洋子
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2013 年 29 巻 1 号 p. 27-33

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抄録
背景:主要体肺側副血行(MAPCA)を有する先天性心疾患は多岐にわたり, その臨床経過には不明な点が多い.
方法:1988年10月以降2011年6月までに経験したMAPCAを有する先天性心疾患患者を対象に, その臨床像を後方視的に検討した.
結果:症例は32症例で男25例, 女7例, 調査時年齢は9.7±7.7歳であった. 二心室修復対象症例27例のうち二心室修復術到達例が15例であった. 単心室修復対象症例5例中1例でFontan型手術を施行した. 死亡例は10例で, 突然死が5例, 敗血症, 心不全, 肺高血圧, 頭部外傷, 喀血が各1例であった. 非致死的合併症は13例に認められ, 喀血4例, 発作的チアノーゼ増悪3例, 不整脈2例, 脳膿瘍, 心内膜炎, MAPCAによる気管狭窄, 術後縦隔炎が各1例であった. 突然死症例のうち2例で発作的チアノーゼ増悪の既往があった. 発作的チアノーゼ増悪を起こした患者2例の心臓カテーテル検査中, カテーテル挿入によりMAPCAの攣縮が誘発された.
結論:特に乳児期における状態悪化の際にはMAPCA攣縮を念頭に置いて診療にあたることで, 予後改善につながる可能性がある.
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© 2013 特定非営利活動法人 日本小児循環器学会
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