日本小児循環器学会雑誌
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原著
小児先天性心疾患手術後急性期重症肺高血圧に対する5 型phosphodiesterase 阻害薬
根本 慎太郎佐々木 智康小沢 英樹福原 慎二小西 隼人本橋 宣和島田 亮勝間田 敬弘尾崎 智康岸 勘太片山 博視
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2014 年 30 巻 1 号 p. 30-35

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抄録

背景:先天性心疾患手術後急性期に発生する重症肺高血圧に対するsildenafil citrate(SIL)治療は,広く普及するに至った.本研究では最近の積極的投与と従来の投与の臨床効果と医薬品経済性を比較検討した.
方法:SIL投与はICU入室時に0.5mg/kgで開始し,段階的に増量し最大2.0mg/kg/4時間毎を胃管または経口で投与した.SILを必要事に投与開始した前期群13例とICU入室直後から積極的に注腸投与を開始した後期群13例を対象とした.術前の肺循環パラメーターに群間差はなかった.
結果:両群で肺動脈圧/体血圧比は有意に低下し(p<0.05),その程度は同等であった.一酸化窒素吸入治療(iNO)は前期群5例で,後期群ではなかった.人工呼吸器時間,ICU滞在時間,および入院期間が後期群で有意に短縮された.肺高血圧治療に要したSILコストは両群間に有意差はなかったものの,前期群ではiNOコストの約200万円(保険償還された場合の試算)が加わった.人工呼吸管理費用,ICU管理費用,および総入院費用は前期群に比し後期群で有意に削減された.
結語:従来のSIL投与法と比較してより低コストで同等以上の臨床効果を積極的投与で達成することが可能となった.

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© 2013 特定非営利活動法人 日本小児循環器学会
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